市民農園、貸農園を永続的に行うには、作物栽培の基本である土壌管理と病虫害の防止がある。
農業であれ、家庭菜園であれ、植物、作物栽培には、このことが必然的に出てくる課題である。

市民農園、貸農園に応募する人は、自宅に作物栽培できるエリアを持たない人々である。
自宅に広い土地を所有して、家庭菜園、ガーデンニング出来る人を・・・憧れ・・・憧憬の気持ちで見てきた人々である。
農業問題の側面に遊休農地が発生し、都市景観、生態系、農地の保全に大きな影響を及ぼすことから、
市民農園という発想が生まれた経緯がある。

つまり、狭い場所でも「菜園」で作物を栽培してみたい人達が出てきて、農地への需要が出てきた。
テレビの趣味の園芸の野菜作りである。
しかし、この作物栽培は「農業」ではない。
全然知らない人が区画ごとに菜園を管理栽培する。
隣、近所付き合いの苦手な人では、なかなか難しい形態かもしれない。
小さい面積でも、植物栽培場を区画で行うには・・・農村と同じように村社会が生まれるからである。
作物栽培には、農事では「共同作業」のようなものがある。
しかし、職業も、農園に来られる曜日も違う人達が作る農園。
決められた日に皆が集まって・・・作業するということが、なかなか難しい・・・。
若い人なら・・・特に。

そこに、病害虫が千載一遇のチャンスとばかりに侵入し、繁殖し、被害が拡大する。
こいう問題が必ず出てくる。
先行した「市民農園」の状況を見ていると、いつの間にか「村社会」になじんだ人達になっている。
これを・・・良い現象と評価するのか、どうなのか。

宇井 清太約1000坪ばかり無料で16人に貸しているが、
苦情が来る。
隣りの畑が・・・手入れしないので・・・困った!
宇井 さんから電話して・・・下さい。
人間生きていれば、病気も突然するし、いろいろなことが発生して、途中から管理できなくなることも多い。

こういう人が出た場合の対策を講じておかなければ、病害虫を防ぐことが困難になる。
化学農薬散布しなければ防止できない。
「食の「自産自食」も、週末に家族での「リクレーション」も台無しになる。
疲れをいやす目的の「市民農園」が・・・リクレーションどころではなくなる。
トラブルが発生する場合も出てくる。

こういうことも想定して、応募、貸農園経営することである。

農地の永続的な保全管理という観点から見れば、次の人のことも想定しなければならない。
「略奪農園」では・・・何ともならない。
都会の人には「狩猟う民族」的な人もおり、土壌を耕す・・・農耕民族の意味が理解できない人も多い。
土壌作りを安易に考えている人がほとんどである。
高級なランの愛好者でも、培養土作りが面倒くさい・・・という。
そういうレベルである。
この難儀な作業を・・・楽しいと考える人でなければ・・・永続は出来ない。
2,3年でやめてゆく・・・
こういう人は・・・ほとんど「略奪」する人。
例えば・・・週末養蜂家。
自分で「蜜源植物」を栽植した人・・・ほとんどいない。
ミツバチが集めた蜂蜜を・・・横取りするのを楽しみにしている人達である。
土壌の交換費用も料金に加算する必要が出てくることになる。

これと同じ感覚で「市民農場」に参加する人もいる。
こういうことも・・・多くの区画の市民農園には混在する。
栽培レベルもマチマチナ上に、思想までまちまち、参加する目的もマチマチ、価値観もマチマチ。
管理曜日も、時間もマチマチ。
ということは、市民農園も都会の縮図である。参入と淘汰・・・。
こういうマチマチが病害虫は大好き!

そういことで、成功の絶対条件として「完全無農薬栽培」が必要なのである。
運営する治自体も、会社も、真剣になって化学農薬を使わないで行う「完全無農薬栽培」を指導する必要がある。
これまでの「市民農園」では、この問題を避けてきた。
やろうとしても、現在の農業技術では「有機」が限界で、それ以上のことを指導できなかった。
それで、この病害虫の問題は・・・うやむやにして募集してきた。
「自産自食」を目的にして参加した人は、農薬の野菜を生産して食べることになる。
食の安心安全を図ることが出来ない「市民農園」であった。

しかし、2017年に、世界で初めて有機栽培による「完全無農薬栽培法」を日本再生循環研究所が開発した。
ようやく市民農園でも安心安全な野菜を・・・楽しみながら生産できるようになった。
残るのは・・・栽培指導をどうやって図るかである。


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kasi no6





















































































各区画バラバラな栽培法では、永続的な畑の持続は出来ない。